複式資産管理について
資産管理は十人十色。人の数だけ管理方法があると思う。
その中でもポピュラーな方法は単式簿記によるもの、いわゆる家計簿だろう。
家計簿は日々のお金の流れを記録していくもので、日々の買い物による支出や給料の受取による収入によって財布の中や口座の中にあるお金がどのように変化していくかに着目した家計管理方法である。
その最大のメリットは実感としてわかりやすいこと。
直感的に支出と収入を記録していけば完成するのでわかりやすく、そのため、子どもから大人まで、家計管理といえば家計簿というのが常識といってもいいだろう。食費や日用品費など、あらかじめ費目を分けて予算を設定しておけば、予算の範囲内でやりくりができているのかいないのか管理が可能。
そんな家計簿だが、一つ重大なデメリットがある。
それは、資産と負債が把握できないこと。
通常の家計簿は現預金だけを管理するわけで、普通に管理する分には何も問題はない。
ただ、次のような場合はどうだろう?
“預金10万円でNISAで投資信託を購入した”
家計簿の決まりどおりに記載すると、10万円の現金がなくなったというだけのこと。
でも、たとえば10万円で旅行に行ったという場合と同じ記載ぶりでいいだろうか?旅行に使ったお金は交通費・宿泊費・飲食お土産代などで消えてしまうわけだが、投資信託を買った場合は(手数料や価格変動がなければ)自分の持っている資産の額に変更はないはず。
家計簿を付ける理由が予算と実績の比較、予算の範囲内で支出をコントロールすることであれば、普通の家計簿で良いと思う。しかし、支出入だけでなく、自分の持っている現預金や株式などの資産や住宅ローンや奨学金などの負債も含めてすべてを管理したいとすると、複式簿記を使った資産管理が必要となるだろう。
こうして私は複式簿記で家計簿をつけることにしたわけだが、その手法や考え方などについて、自分の思考も整理しながらまとめていければと思う。